小熊邸

hinakichi
2021年7月29日

 先日、札幌の古民家を活用したカフェにお邪魔した。建物を見学するのが目的。建築家は田上義也(たのうえよしや)である。田上義也と言えば、小樽を含め道内に多くの建築物を残した、北海道におけるフリーの建築家の草分け的存在である。小樽の坂牛邸も見に行ってきたばかり。洋風のデザインがしゃれていて、絵本に出てきそうな可愛さ!

 今、「田上義也と札幌モダン」(井内佳津惠/著)という本を読んでいる。田上の半生と交友の軌跡を書いたものだが、版画や洋画の作品の紹介もあって、それもなかなか良い。さらには音楽家でもありヴァイオリンで活動をし、札幌新交響楽団の創立者であった。音楽家が絵も描いているとかは良くあるが(逆もまた然り)、建築家と音楽家を同時にこなすって珍しいな、たぶん。でも、芯の部分がぶれなければ何を同時にやっても同じことか。ちなみに、札幌新交響楽団で検索しても札響ばかりがヒットして、新交響楽団の記事がほぼ見当たらず、現在の活動を調べられず。

 小樽にゆかりのある田上義也について勉強を始めたという話でしたが、今後も勉強が進んで建築物を訪れたりしたらまた記事を描こうと思います。



THE LIBRARY 2021 DM

hinakichi
2021年7月28日

今年も東京のTHE LIBRARY 2021展のDMを制作させて頂きました。(作品の出品は致しません。)

8月4日(水)~14日(土)TOKI Art Space  

詳しくはこちらから➡THE LIBRARY HP

関東にお住いの皆さま宜しくお願いします!



色々お豆

hinakichi
2021年7月27日

 札幌在住の版画家・宝賀寿子さんから6月に豆を頂いた。 早速畑に植えました。

左から、鞍掛豆・アキシマインゲン・早もぎインゲン・モロッコインゲン・さや黒インゲン

順調に育ってます!

 宝賀さんは木版画で身の回りの動植物をモチーフに制作されておりますが、膨大な知識に裏打ちされた確かな表現、かつ愛嬌のある作風が素晴らしいです。



シモツケマルハバチ

hinakichi
2021年7月26日

去年の今頃、庭のシモツケの葉にイモムシを発見。それがこちら

 緑~ピンク色のグラデーションがかかっていて、とてもキレイ。そして瞬間移動でもしているのかと思うほど、凄い速さであちこちに移動するのだ。なんの幼虫か調べるためゴマシジミ研究部の皆さんに画像を送ってみると、蜂に詳しいSさんからご返答が。

 こちらはシモツケマルハバチの幼虫なのだそうだ。ハバチの幼虫は名前の通り植物の葉を食料にしており、こちらの幼虫はシモツケしか食べない。花を食べた幼虫は体が緑からピンク色にまだら模様に変化したりするため、最近花を食べたのだろう、との事。ちなみに、背中の白いぷちぷちはロウ物質で芯の部分は短い針。触るとチクリとするようだ。このあと4~5日で地中に潜り土繭をつくり蛹になった。

 ハバチは原始の昆虫の扱いで針がなく、刺したりはしない。それに対し進化の過程で産卵管が針に変質していったのが有剣類・有剣蜂。原始のハバチが単独行動で進化するのに対し、社会性を持ったのがスズメバチやミツバチ、アリなどである。(有剣蜂でもコロニーを作らず単独行動をとる種も有る。セイボウやオナガバチ他)

 原始の蜂が単独行動とは!蜂なのにイモムシが自分で植物を食べて、土に潜って蛹になるなんて、びっくりした。おまけに蜂なのに刺さないなんて。だけど、産卵管が針になってしまったら、有剣蜂はどこから卵を産むのかな?Sさんはさらに詳しく調べて下さった。針は武器として独立していって、別に産卵孔という器官が出来たそうである。

 ハバチの産卵管は平べったく、葉や茎にスリスリして表面に傷をつけて産卵する。Sさん曰くおしりを左右にちょこちょこ動かして産卵する姿がカワイイんだって!見てみたいですなあ~!



ミニトマト

hinakichi
2021年7月25日

 昨日、一昨日と仁木町のトマト農園で収穫の仕事をしてきた。初めての仕事であり、真夏の炎天下でビニールハウス内での作業。緊張もあってか初日は終わりごろ朦朧としていたが、二日目は体調のピントが合ってきたのか、しっかり作業ができたと思う。(個人比)

 前半は大玉トマトで、後半はミニトマト。大玉の方は収穫してからどんどん赤くなるため、わりと青いうちに収穫してしまうので、迷ったら収穫するように教わる。逆に、ミニトマトはしっかり赤くなるまで手をつけないので、迷ったら収穫しない。

 そこで重要になるのが色の判別。大玉はおそらく問題ないのだが、ミニトマトの色の判別は二日とも迷いに迷った。「これくらいなら収穫していいけど、これくらいはまだです。」と説明をうけるのだが、迷ったら収穫しないを守っていたらどんどん残していく状態に。「う~ん、もっと収穫できますよね。」といって再度指導を受ける。さっきの色とこっちの色だとどっちがどうなんだっけ?光に充てると赤味が良くわかるので、一つ一つ確認してみる。全体の中で色の印象が変わっていくので、時々参考にするトマトと比べて確認。調子が良くなってくると、前の方で作業していた場所を振り返ると、あれっまだ収穫するべきトマトがあっちにもこっちにも。私は色には自信があるわよ、と心の中で思っていたのだが、あえなく玉砕!

 そうしていくうちに、二日目の終盤には直感が働くようになってくる。ちょっと不思議な感覚。そして、手が動くようになっていった。時には取ってみて赤味が足りない時もあるのだが、大体イメージどおりに見えてきた。(実際はまだまだ甘いのでしょうが)次に行ったときまで、この感覚が消えませんように~!

 トマトの収穫においても、「色と光問題」と図らずも直面してしまった私。物と色の関係は深いな!



蜂の巣

hinakichi
2021年7月22日

玄関縁の下のコンクリートの隙間の中に蜂の巣が作られていることが確実であるため、今朝隙間を埋める作業をしていた。スズメバチだとおもう。作業がひと段落してふと家全体を眺めると、屋根の軒下やら2階のフェンスの下やらに計4つの蜂の巣を発見。こちらはスズメバチではなさそうなので、長い棒で落としてみる。

それがこちら!

繭がびっしり!蜂の巣をまじまじと眺めるのは初めてだが、繭がくるんとしてキレイ。拡大するとわかるのだが、繭の脇には幼虫もいる。成虫がお世話をしているようだ。ネットで調べてみたのだが、フタモンアシナガバチという種類に似ているがどうなんだろうか。うーん、ちゃんと調べよう。

リンゴの木にも、すごく小さな蜂の巣が作られ始めていた。こちらは、マメコバチかな??

突然巣を失った蜂たちが巣のあったあたりにウロウロとたむろしている。。巣、また作るだろうな。



オオムラサキの幼虫

hinakichi
2021年7月21日

 2019年に発行した「そら君が出会った不思議な青いチョウ」の制作過程では、色々な経験や勉強をさせて頂いた。イモムシに関しても、この仕事のおかげで認識が大きく変わった。イモムシひとつとっても、実に様々である。頭の中の気持ち悪いフィルターを外すことが出来ると、美しかったり造形的に興味深いものが沢山あるのだ。

 こちらオオムラサキの幼虫。

 え~、まるでにゃんこの顔みたい。マンガちっく過ぎない??と思いきや、まんまこんな顔してる。すごくかわいい。この幼虫を知ったことが、イモムシに興味が湧くきっかけになった。オオムラサキの幼虫の写真はこちらから…「芋活」というイモムシ・ケムシの専門サイトが非常に面白いのでご覧あれ!https://www.imokatsu.com/

 絵本で描かれている動物や生き物がとてもマンガちっくなデフォルメだと思っていたら、そういう造形なのだと驚くことが度々あった。去年エゾアカガエルの仕事をした時も、オタマジャクシがそんな顔しててやっぱりびっくりしたものだ。

 先日、ゴマシジミ冊子の監修でご指導頂いております坂本洋典氏から、メンバーに神戸大学の杉浦真治博士によるイモムシ・ケムシの非常に面白い講義の動画をご紹介頂きました。こちらも、イモムシ・ケムシが大丈夫な方はぜひご覧くださいませ!

「イモムシ・ケムシの護身術」https://www.youtube.com/watch?v=atUx5XsNHRY&list=LL&index=3 (トップからケムシ画像なんで、埋め込み自粛。。)



スポットライト!

hinakichi
2021年7月20日

 この度、スポットライトなるものを入手した。自然光で絵を描くことがベストであるのだが、夜制作するときは、部屋の明かりだけでは暗いのだ。

 このところ、色についての格闘が続いている。数年前まで、絵の内容や構図、大体の色の方向性が決まればあとは描き上げるだけという制作を続けてきた。それがある時、モチーフに炎を選び必然的に色について考えざるを得なくなった事が始まりで、それ以降色をどう見せるかが絵のテーマより重要になっていったのだ。群青展企画者の丸島さんの「イラストは線、絵画は色」という話に妙に納得したというきっかけもあった。

 すると、制作環境や展示会場のライティングがひどく気になりだしたのだ。はじめは絵具使いで散々格闘し、(色の種類によって反射が変わり面でなじまなくなったり、この色を出すためにどれとどれを混ぜると良いのか驚きや発見がいくつもあった、などなど)その次にようやく完成したものを会場で展示すると、思ったような見え方をしないことで苦戦が続いている。

 ある時の展示の制作を、引っ越したばかりの今思えば暗い部屋で描き続けていて、搬入1週間前に明るい日の光にさらした時に想定していた色よりもまるで明るすぎて今更どうにもできずに、会場ではどう見えるか心配のあまり搬入当日まで胃の痛い思いが続いた。またある時は、企画展で同じ部屋の作家さんがスライドの作品で部屋を暗くする必要があることが当日判明し、暗い絵を描いていたため、絵が見えにくく、スポットライトをあてると今度は光ってこれまた見えなくなってしまう。それぞれが自分の都合良い時間にきて自分の展示をすませて帰るスタイルだったので、この時は最終的にオーナーさんがうまく修正してくれたらしく、当日朝には良い感じにライティングを修正してくれていた。プロの技術はさすが。

 今回のTHEY展では、前述したが、暖かく柔らかいイメージで中心の手の部分だけ差し色程度にハッとするオレンジ~ピンク系の明るい色をのせたくらいのイメージで制作していたのだが、会場で展示してみると、ビカビカとどぎつく発色しているではないか!あまりにもイメージと違っていたため、心の折り合いをつけるまで2日かかった。

 しかしながら、展示も終わり今落ち着いて作品を眺めていると、やっぱりそもそもの作品の色のバランスがうまくいってなかったのだということに気が付きだした。その辺がうまくいっている作品であれば、どのような会場で、どのような明るさでも、それぞれの見え方でなじむのではないかと。

 今回の作品は寝室で描いているのだが、明け方4時半くらいには明るくなってきて、その時の色味が想定より赤味が飛んでいて、それはそれでなかなか素敵に見えていた。そのうち6時位になると赤味を帯びてきてそのくらいの色味で制作を続けていた。そして展示してみたら赤味やコントラストが強くなった。つまり、制作物ってこれが正しいっていう色の設定など自分の頭の中にしか存在していないんだなあという事だ。

 今回スポットライトを取り付けたことで、より色について検討するための材料に出来たらと思う。



エゾハルゼミ

hinakichi
2021年7月19日

 子どもの頃、虫がなぜだか本当に怖くて、特に翅をもった飛ぶ虫が苦手だった。飛び掛かってくるところを想像してビクビクした。大学時代、ある日アパートに帰ると、ドアの前にセミが止まっていて、どうしてもドアを開けて中に入ることが出来ず、近所の友人に来てもらって捕まえてもらった。友人は両手で守るようにしてセミを捕まえて、私とは全然違った態度に驚いた。

 時を経て、2013年。ゴマシジミ研究部のメンバーから冊子の制作をご依頼いただいた。1年がかりで、月一のミーティングを行った。そして、夏のある時合宿があった。その時、研究部のメンバーがエゾハルゼミを捕まえてきて、私に見せてくれたのだ。大学時代のあの日を思い出し、一瞬構えたのだが、ミーティングで昆虫の勉強を続けていった成果もあってか、自然に指でつかむことが出来たのだ。道民だった私は関東の大学に行って初めてゴキブリという虫を目の当たりにし、それなりの格闘を経験し、ゴキブリ以外の虫はだいたい大丈夫になっていったとは思っていたのだが、これには自分でも新鮮な驚きがあった。頭を指で「よし、よし」となでてあげると、そのタイミングで「ぴこ、ぴこ」と脚を上下させるセミに、胸がキュンとなった。まるで家で飼っているコザクラインコのさくらちゃんを可愛いと思うのと同じ種類の可愛さではないか!

 実は一時期、この先どうやって生きていけば良いだろうかと考えながら、何も食べるものが無くなったらその時は木の実、野草と、昆虫を食べよう!と考えていた。昆虫は次世代の高栄養食と考えられているらしいのだ。だから、その合宿の時もメンバーはから揚げにして食べてみましょう!ってことで私に捕まえてくれたのだが、可愛いと思ってしまったがために食べる事は出来ず逃がしてしまった。

 でも、今思うのは、嫌いな昆虫を食べるからキツイのであって、可愛いと思えて初めて食べる事が出来るのではないかという事だ。来るべき時代に備えて、今度こそ感謝をしながらセミのから揚げにチャレンジしてみようか。



作品「気配」修正開始

hinakichi
2021年7月18日

今回展示した作品の「気配」がこちら

次の展示(来年1月)にむけて大々的に改良することを決意。

前述したが、右手とそれにとまる蝶(現実)と、左手とそれに群がる蝶たち(空想)の組み合わせだったのだが、どうもわかりにくいので、もっとシンプルにするため、現実部分を削除しようと思う。

もう一つは、空想の蝶の翅の色が強すぎたため、もっと淡くしたい。本当は、制作中気づいていたのだが、展示に間に合わないかもという不安から、思い切って色をのせる事が出来なかったのだ。

あと、模様を描きこんでいくうちに、だんだん蝶とも言えない何か模様に変化していって、制作が瞑想のような状態になることを期待していたのだが、そこまでたどり着けなかったので、今回はそこまで行けることを目標にした。

まずは、右手を消してみる。

ようやっと手をいれてみたら、踏ん切りがついたぞ! これから、制作過程を時々アップしていきたいと思います。