自在鉤

hinakichi
2022年2月20日

 《自在鉤》 いろりの上から下げ,鍋や釜を掛けてつるす道具。普通は竹筒と鉤付きの棒から成り,小ざる,手と呼ばれる横木の摩擦抵抗を利用して棒を固定する。必要に応じて自由自在に鍋底と火の距離を調節できるところからこの名がある。自在鉤はカギド,オカマなどと呼ばれ,火の神の依座と考えられていた。(ブリタニカ国際大百科事典より)

 以前から欲しいと思っていた自在鉤。なかなか気に入ったもので値段も手ごろな物が見つからないでいた。安いと、やはりそれなりなのだ。

 さて、先日たまたま立ち寄った古物屋で立派な自在鉤を発見。値段を聞くとあり得ないほどの激安!。一桁間違っているんじゃないの?と思ったが、お店のご主人は特に反応せず。値段間違ってましたとか言われないかビクビクしながら、平静を装いつつ代金を払い、逃げるようにしてお店を後にした。

 早速家の囲炉裏の上に設置すると、たいそう立派な佇まいである。火の神の依り代とある。神様が憑依する対象物ということらしい。火の神が家にやってくるのか~。「火の神として有名な京都の愛宕(あたご)神社と静岡県周知郡の秋葉山神社は火伏せの神として各地に勧請され,その神札(しんさつ)は火難よけに神棚に納めたり家にはったりする(世界大百科事典より)」らしいので、ウチは火事の心配がなくなるのかな。

 

「横木は木片に穴をあけただけのものから、タイやフナなど魚をかたどったものや、扇、ひょうたんなどの装飾の施されたものまである。いずれも縁起を祝ったものである。(ニッポニカより)」

 うちのは波型の部分、ひょうたんだろうか。その下に扇が付いている。