コッタロのチビッコ

hinakichi
2024年3月31日

 2006年に製作した絵本「コッタロのチビッコ」。これは、当時中標津高校に勤めながら鳥の調査を行っていた浦巧先生から、ご提案いただいたお話だった。大阪から釧路湿原のコッタロ湖に移住してこられた、中本民三さんアキ子さんご夫婦と、タンチョウヅルの一家との、愛情あふれる交流の物語である。大自然の中で育まれる、命をつなぐ物語。

 当時、製作はしたものの、まだまだ力不足で、身近な面々からは「う~ん、どうかなあ」という反応だったのだが、どこを直すと良くなるのかも見当がつかず、また製本データを製作する技術もなく、コピーをホチキスで束ねるのが精一杯。そんなこんなで宙ぶらりんになっていた。

 3年ほど前に、このままにはしておけないと一念発起。16年程たち、自分も変化してきており、絵に関して色々見えてくるものがあった。修正の必要な部分がどんどん見えてきた。そして、去年の暮に少部数で印刷にかけてみた。それを、原案の浦先生とモデルとなった中本さんご夫婦に送ったところ、大変喜んで下さり、小学校に配りたいので沢山刷りましょう!となったのだ。

 そこで、今回はプロの手をかりようと札幌の中西印刷さんに見て頂いたところ、文章の修正が必要である事がわかり、丁寧に指導していただいたのだが、さすがプロ! 急に絵本になってきた。今、絵の最後の修正を行っている。明日、原画を中西さんにお渡しして、いよいよ完成まで近づいてきた。

 ネット印刷ではなく、正式に印刷会社にお願いするのも、内容を指導してもらったり、ハードカバーになるのも初めての経験。とても完成が楽しみである。



奇跡のリンゴ

hinakichi
2023年11月23日

 すっかり秋も終盤、雪の降る日も増えてきた。今年は夏が暑すぎて、作物がうまくならなかった話をよく耳にした。一戸家も、今年はあまり畑に手をかけられない都合もあって、真の自然農法またの名を完全放置農法となってしまったこともあるのだが、去年のようには収穫できなかった。しかしながら、にらは何度も美味しく食べられたし、受粉しなかったかぼちゃやズッキーニも、いくらか育った。最近、室内でお香の代わりにホワイトセージを焚いているのだが、購入したものより、育てたホワイトセージの香りが気に入っている。

 さてそんな中、今年のリンゴは優秀であった。4本あるリンゴの木全部合わせて、とうとう7つ実をつけ、最終的に4つ収穫できたのだ。去年は初めて3つ実をつけたのだが、途中で枝が折れてしまい、枯れてしまっていた。いざ試食すると、さわやかで甘酸っぱく味が濃い。おいしいぞ!! 親にお土産で持っていくと、「経験したことのない美味しさであった」との感想。これは、来年も期待大!

フジ
王林
4種類あるリンゴの木
袋掛けをしていたが、大風の時に落ちてしまった。



本日のマンデラエフェクト

hinakichi
2023年8月2日

 もはやシリーズ化である笑。今日車中で音楽を聴いていて、偶然に流れた曲「Moonchild / King Crimson」は、昔ハマって繰り返し観た映画で流れた曲だった。映画のワンシーンで、この曲でクリスティーナ・リッチが寂し気にタップダンスを踊るのだ。これこれ~、なつかしい。当時このシーンが大好きで何度も繰り返し観たのだ。ユーチューブに上がってないかな、、と検索してみることに。タイトルは「バッファロー‘69」…えっ、「’66」!? オーマイガー。タイトルは確かに69だった。当時タイトルを言うとき、勾玉のようなイメージがまず頭に浮かび、続いて一瞬69か96かで立ち止まり言いよどんでいたので、思い違いなど考えられない。66だったなら、そんな思考の展開にならないではないか。ちなみに検索時、村上龍原作の映画「69 sixty nine」が出てきたのだが、混同した可能性は断じてない。しかしこれ、信じてない人からしたら、66を69と思い込んでたただの微妙な人としか思えないよね!! 同じ記憶のある方、メール for me–!! 涙

 今までのネタは、言ってもまあ私の思い違いやら何かの加減だよね。。と心のどこかで思っていた。だが今回の事で私は、とうとう疑いようのない個人的マンデラエフェクトに遭遇したとの確信を得た。ああ。これまでの私よさようなら。。最後にクリスティーナリッチのタップダンスをどうぞ。





製作のヒント

hinakichi
2023年6月28日

 

・60年前の中学生の作品

 父の展示イベントの講話の資料を整理する手伝いをした。もう60年も前の中学生の作品を写真に撮っていった。

 画像は、トンボをモチーフにイメージを膨らませて物語性を持たせながら製作するというテーマの課題で出来た作品である。目にした瞬間に私の心がときめいた。花の中央がアンモナイト(カタツムリの殻?)になっており、その中からトンボが出てきて、ほろほろ落ちる太陽のかけらと戯れている。太陽が出ているのにこの暗さ! 周りの空間の色合いや質感が、(うまく映らなかったが、)微妙なゆらぎによって異空間の不安定さを醸し出す。

 トンボというモチーフだけでこのような作品ができるのか。このところ、作品を製作しようと内容を考えるとき、いちいち意味合いなんかを考えすぎてしまい、なかなか降りてこなくて苦しむのだが、難しく考えることはないのだ。たまたま目に入った(たとえば)眼鏡、とかでもモチーフとしてとらえ、そこからイメージを膨らませ、形を作っていく。それだけ。メッセージ性より、ただそこにある絵画を目指す。

 なにか大きなヒントをもらった気がした。60年前に中学生だった作者のアナタ!名前もわからないのですが、これわたしの!って気付きましたらご一報を。お返しします。

 展示案内にアップしたが、THEY展の展示が近付いて来ており、目下追い込み中である。



ホッケ釣り

hinakichi
2023年5月4日

 随分経ってしまったが、初春にホッケを釣りに行った。塩谷のアニキに連れられて、4人でまだ暗い余市の海へ。どんどん日が昇り、快晴に! しかし、油断していたらとても寒く、私は途中から車の中で見守った。沢山の人々がホッケ釣りをしている。

 海を覗くと、ホッケの群れが良く見える。そばの釣り人が釣れるわ釣れるわ、凄いな~と思っていたら、竿を渡され私もホッケ釣りに初チャレンジ! 初めてなのに、なんと6匹も釣れた。夫婦で計25匹。午前で終了したのだが、「こんなに釣れている時に帰るなんてもったいない!」と残念がられた。

 大量に釣って、保存食にする。今回の目標である。そのまま冷凍でも良いのだが、今回は糠ニシンにすることにした。頭を落として、内臓を取る。ひたすらに捌き続ける。最後のあたりで出刃包丁の刃が欠けてきた。(安物の包丁だからかなあ) 一晩塩をして水分を出し、次の日糠に付け込んだ。そして、数日漬けて糠ニシンが完成、その後冷凍庫へ。その糠ニシンも、あと3本になった。

 また一歩、半自給自足生活に向けて前進した。釣りに行った日の朝日が、雲の隙間から塩谷丸山を照らしていた。うまく写真をとれなかったのだが、直に見るととても神秘的に見えた。



山に暮らす雑談

hinakichi
2023年3月15日

 働かせて貰っている農家さんで、近頃は接木作業を行なっている。細かい作業は老眼鏡が必要となってしまったが、好きな作業だ。作業中時折り会話を楽しむのだが、それがまたいつも興味深い。最近教わった生き物の話がいくつかあって、その中の一つ、熊の話を。

 北海道では、住宅街に熊が出没するのはよくある事だ。実家の側にも、現在の自宅の町内も、農家さんの周辺にも、何年も間隔は空くが、熊が出たとニュースになる事がしばしばある。昔は鈴を鳴らして歩けば熊は遭遇する前に身を隠すと言われていたが、現在では鈴を鳴らすと逆に寄ってくるらしい。人間が怖くないことが分かって来たのだろう。

 人間が襲われた時、まず怪我の部分から襲って来た熊の遺伝子を解析するのだそうだ。そして、山に逃げたその熊を探し出し遺伝子を照合して特定し、殺処分する。それは、人間が美味しいと気付いた熊が、人間を襲う為に山から下りて来るのを阻止する為なのである。こ、怖いな〜。動物が冬眠をするのは餌が無いからで、餌があるとなると、冬眠はしないらしい。人間美味しいぞとなったら、年がら年中、熊が町を彷徨くことになる。すぐ数メートル先で遭遇したという話を時々聞くので、心積りをして、対策を練っておく必要がある。

 私の祖父が仲間数人とクマに遭遇した時の話。目の前に大きいクマが立ちはだかり、絶体絶命! 仲間数人で一つの塊となり、一斉にクマを睨みつける。どちらも動かない。ややしばらくして熊が動こうとした瞬間に皆で一斉にワー!!と叫び声をあげ威嚇する。視線は絶対に外さない。熊は動きを止めこちらを観察、またややしばらくの間の熊との微動だにしないにらみ合い。これを何度か繰り返していると、何度か目に、突然熊は体を翻して山へ猛スピードで逃げていったという。

 子供の頃この話を聞いた私は、睨む姿勢とワ~と叫ぶの繰り返しを、来るべき日に備えて訓練をするのであった。皆様も備えあれ。



よもやマンデラエフェクトか

hinakichi
2023年3月1日

 父親が彫刻の制作活動の60周年を迎える。4月の末から、本郷新記念札幌彫刻美術館で60周年の記念展を開いていただける事になった。それは後日紹介させて頂くとして、今回は展示準備の作業中の出来事を。

 このところ、記念展にむけて準備の手伝いをしに実家へちょくちょく戻っている。数日前は、美術館から要望のあった作品の画像纏めを行っていた。アイコン画像を見ながら、元データをファイリングしていく。風髪’80というタイトルの作品の元画像を見つけて添付したのだが、美術館から届いたアイコン画像とどうも様子が違う。どちらかのタイトルが間違っているのだろうか…と、父に問うと同じじゃないの?と言ってくる。いやいや、そっくりなのだが、肩の切れている場所が違うし、体のひねりも違う。「え~、これ絶対違う作品だよ。」と言うと、「このタイトルの作品は一つしか作ってない、角度が違うから別の作品に見えるのではないか?」と返事がくる。そんなわけないではないか、向かって右の腕が、片方は付け根から、もう片方は少し下あたりで切れている。「これは、同じ時期に同じテーマで2パターン制作したのではないのか?」と聞くと、「そんなことは絶対にない、これは初めてテラコッタで制作した、活動の転機となった記念すべき作品なのだ。」と言ってくる。そうなのだ。おまけになかなか大きくてたいそう重い。背景からも二つ作ったとは考えにくい。

A
B

 母親を呼んで画面を見てもらうと、なんとこの作品は曰く付きのものだと言い出した。もう随分前に作品集を出す際に、こちらの作品の撮影をして画像を見ると、頭の上に煙が立ち上っている。これは、大きな埃でも落ちてきたのではないのか? いやいや、このようにはっきりと映っている煙が埃ならば、撮影中に気づくはずだし、撮影後も探せば見つかるはずだ。でも、この煙は画像を見て初めて現れたものなのだ。その時はパソコン上で煙を消して画像を使ったので、元画像は残されてはいない。もしや、今回の作品の変化にこの煙がかかわっているのではないのか。そう、これまで2度記事にした例のマンデラエフェクトである。

 しかし、自分の中に仮説があった。家に帰り、自分のパソコンで写真を眺めた。試しに片方を反転させて比べると、方向は違うのだが、同じ作品であることが判明した。何のことは無い、画像が反転して保存されていたのだった。

A
B 反転

 しかしである。作品の記録用の写真を反転することなど絶対にありえない。カメラの撮影時、初めから反転の設定があるのかはわからないが、パソコンに取り込むまでの作業の間に、うっかり反転する機会は無いように思える。また、その後もう一つ反転した別の作品の画像が見つかったので、うっかり操作ミスを二つもするようなことがあるだろうかと疑問が残る。この度の騒動のカラクリは、マンデラエフェクトが起こり現実を擦り合わせるようにして、反転したという過去が構築されていったという事なのではなかろうか。う~ん、そう考えなければ、気持ちの落としどころが無い。

 なんでマンデラエフェクトがあってほしいかというと、過去にやらかしてしまったあんな事やこんな事が今いる世界線では無かったことになるのではないかという淡い期待のせいなのだった。いや、本当に、無かった事なのかもよ。



解説不要

hinakichi
2023年1月21日

 数年前、わざわざお客さんを捕まえては作品の解説をしまくっていた時期があり、それは無意味なのだと反省する記事をいつだったかに書いたのだが、それはお客さんに失礼であり、無意味どころか嫌われるのか。鬱陶しいだろうとは思っていたが。ああ、あの頃の自分よ! ただわかって欲しかっただけなの。。。 最近山田玲司が面白すぎて動画を見まくっているのだが、この回にヒントがあった。8:45位からです。

https://youtu.be/7vjK6GYtHM4



まあるいよだれかけ <MARLMARL>ショップサイト

どんど焼き2023

hinakichi
2023年1月9日
どんど焼き

 あけましておめでとうございます。本日は町内会の神社でどんど焼きが行われた。町内の住民の皆様がやってきてはお飾りなどを燃やしていく。お飾りが実に様々色とりどりで興味深い。

 松葉を投入するとバチバチいって炎の勢いが強くなる。松に油が多く含まれているからだな。「この葉は何ですか?」「榊だよ、家で飾らないの?」「お神酒に飾るやつですね、来年ウチでもやるかー」みたいな会話を楽しむ。引っ越してきて1年半、少しずつ町内に馴染んで来ていると思う。

気に入りすぎてどうにかなりそうだったタオルうさぎ

 ところでこちら。私が幼稚園の頃、母親がタオルで作ってくれたうさぎちゃん。一枚のタオルを切らずに畳んだり丸めたりしたなら糸で縫ったり縛ったりして作ったもの。前足二つとしっぽを丸くきゅっと結んであるのがかわいい。ひどく気に入ってたのだが、引っ越しの時に出てきたのだ。今年は兎年、居間に飾っている。



さくらを描く

hinakichi
2022年12月15日

 先日、新しいキャンバスが届いた。来年のTHEY展に向けて制作始動である。今回はF30号X2の作品を2点、対の作品として制作予定。モチーフはさくらちゃん。 

 ブログ開設以来度々登場させてきた我が家のコザクラインコのさくらちゃん。さくらは昨年10月に、19年の命を全うし旅立った。老衰で、最後は母の手の中で安らかに眠りについた。

 雨の中、庭にお墓を掘って、さくらを埋めた。父が戒名をつけたので笑、墓標に書き込んだ。名付けて「天飛院さくら」。あの世とこの世の境目を自由自在に行ったり来たりしている様子を思い浮かべている。そんな作品を考えている。