製作のヒント
父の展示イベントの講話の資料を整理する手伝いをした。もう60年も前の中学生の作品を写真に撮っていった。
画像は、トンボをモチーフにイメージを膨らませて物語性を持たせながら製作するというテーマの課題で出来た作品である。目にした瞬間に私の心がときめいた。花の中央がアンモナイト(カタツムリの殻?)になっており、その中からトンボが出てきて、ほろほろ落ちる太陽のかけらと戯れている。太陽が出ているのにこの暗さ! 周りの空間の色合いや質感が、(うまく映らなかったが、)微妙なゆらぎによって異空間の不安定さを醸し出す。
トンボというモチーフだけでこのような作品ができるのか。このところ、作品を製作しようと内容を考えるとき、いちいち意味合いなんかを考えすぎてしまい、なかなか降りてこなくて苦しむのだが、難しく考えることはないのだ。たまたま目に入った(たとえば)眼鏡、とかでもモチーフとしてとらえ、そこからイメージを膨らませ、形を作っていく。それだけ。メッセージ性より、ただそこにある絵画を目指す。
なにか大きなヒントをもらった気がした。60年前に中学生だった作者のアナタ!名前もわからないのですが、これわたしの!って気付きましたらご一報を。お返しします。
展示案内にアップしたが、THEY展の展示が近付いて来ており、目下追い込み中である。