「小さな旅」   

2002年 A5 カラーインク

 

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ある時

みえっぱりのイタチが かたつむりに言いました。

「きみっていつも

僕の立派な家の軒下に いすわっているけれども、

きみには、立派な家ってものが ないのかい?」

 

 

 

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ほら穴には すてきな窓も もえぎ色のカーテンも

ありませんでした。

「ここはどうやら ぼくの家じゃないな。」

 

 

 

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海にたどりつくために、川にそって歩くことにしました。

かたつむりは、川の魚たちに聞きました。

「きみたちには 家はあるの?」

「この広い川のすみずみまで ぼくたちの家だよ。

そして、川中の生き物は皆 家族なんだ。」

けれども、かたつむりの家では ありません。

 

 

 

 

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10

さらに歩くと 青くすんだ海が みえてきました。

「海だ!」

ーいいえ、よくみると

青い壁をしたレストランでした。

中からコックが にこにこしながら出てきました。

「ようこそ、いらっしゃい。」

「ぼく、自分の家を探しているんだ。」

「それでしたら、ここにまちがいありません。

さあ、さあ、中へどうぞ。」

 

 

 


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